大分

【大分】岡城 西の石垣山城総合百貨店 高石垣ありで九州山城NO.1

基本情報

 形態:山城
 史跡指定:国指定史跡
 標高:325m
 城の整備:駐車場 歩道
 所要時間:3時間(ゆっくり見て)
 訪問日:2016年5月

駐車場 アクセス

ここ岡城は、なかなか行くことが出来ません。とにかく内陸部。ここに来るために、九州転勤を希望したと言っても過言ではないかも。

張り切り過ぎて、朝の5時過ぎに出発し、8時に到着。当然、他の観光客はほとんどいません。

ASOー4火砕流帯とは?

中九州地区のお城を見学する上で、欠くことができに情報としては、その豊富な岩石の量。いったいどうしたらこれほどの岩石を供給できるのかという点です。特に岡城は、「石垣の総合百貨店」と言われるほど、様々なタイプの積み方を見学することできます。

豊富な岩石は、どうやって出来た?

その答えは、上記にも示しますように「Aso-4火砕流帯」がもたらしたということです。結果、大量の「阿蘇溶結凝灰岩」という岩石を供給することに至りました。

阿蘇山周辺は、約30万年前から4回の大規模噴火を繰り返しており、地質調査の結果、「Aso-1,Aso-2,Aso-3,Aso-4」と名付けられております。

一番古い「Aso-1」は、約30万年前、「Aso-4」は、約9万年前におきた大噴火

この「Aso-4」は特に大規模で、果ては、島原半島、山口県、大分県、宮崎県と広範囲に影響を及ぼしました。この岩石は、チェーンソーで切断できるほど柔らかく加工がしやすいので、岡城は様々な表情を見せてくれます。

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)3月11日)を加工・編集
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

阿蘇山から噴出した火砕流の流れが確認できます。そのど真ん中に「岡城」はあるのです。

城域に入る

鏡石

なんというか、「おもてなし感」が凄い。入口からこの贅沢な岩石の使い方。巨石が出迎え。そこで、再度、地質を確認してみた

特徴的な かまぼこ石

Qさん
Qさん

ここはどころですよ

特徴的なのは、かまぼこ石。丸みが帯びています。なにやら演出的に西洋の城のような印象を受けます。

同じ大分の佐伯城の主郭部や臼杵城の白塀にも「丸み」が存在するので、共通点はあるのでしょかね。

大手道の坂は要注意

何気ない坂ですが、ここが滑る滑る。中途半端なスニーカーや革靴は危ないですね。逆に硬すぎる登山靴も滑る。意外でした。

落とし積み。この岩石量には、圧倒されます

ここにも かまぼこ石

あまりにも歩きづらいので、スロープが設置されています。

お、ついに見えてきました

大手門の「笑積石垣」

Qさん
Qさん

みどころですよ

中に、鏡石級が組み込まれている。正に魅せる大手門ですね。大石の周りに比較的小さな石を積む積み方で「笑積」というらしい

ここの岩の積み方も複雑

この大手門は、カッコいいですね。素晴らしいです。三つのくぼみもあたかも西洋のお城を彷彿とさせます。しかし、実際は、ここに木材を通していた門だったとか。作った石工の強い拘りと技を堪能することができます。

家老屋敷方面を望む

はるか向こうに更なる郭が見えます。遠いですが後ほど行きます

大手から、東向き進みますと

本丸高石垣

Qさん
Qさん

これが観たかった!

ここ!撮影スポットですね。この高石垣。本丸に至る入口のところ。これが見たくて、ここまでやってきましたようなもの。それにしても、高いなあ。

三ノ丸の入口 では「技」を観る

超笑い積み?

Qさん
Qさん

そして、個人的には、一番の見どころはここ

名付けて、「超笑い積み」
Qさん
Qさん

「超笑積!?」

「何これ!?」

という驚きと共に、背中に電気が走るほどシビレマシタ。この二つは、いよいよ藩主の居住地に入るという門に設置されいます下の装飾岩はもはや「アート」。意図的な「技」です「技」。こんなに埋め込み方はみたことがありません。これは、一見の価値ありです。

御城門跡の積み方もスゴイ。ここはきっちり切り込みハギ

これも技ですよね。笑積でしょうか。中央の周りに綺麗に接合させて積んでいる。だいたい6個が合わさるんですが、(六積)ここは、8個。う~~ん。素晴らしい。

むむむ、これは中は

亀甲積み

ではないだろうか。亀甲積みは、江戸時代に流行ったとか聞いたことがありますが、補修でも受けたのかな

二ノ丸内 滝廉太郎像

途中、滝廉太郎の銅像があります。そして、反対側に川を挟んで、道があるのですが、そこの白線には細工がされおり、メロディーロードとなっています。車が通るたびに「荒城の月」が流れるという仕組み。考えましたね。

このような小技がたまらない

落とし積み

この当たりは、「落とし積み」ですね。いったいいくつの積み方があるのか。勉強になりますね。

家老屋敷方面へ

ハッキリ言って、見どころが多すぎて、全てをカバーしきれません。この当たりで、満腹大満足であり、随分と神経をすり減らしました。とりあえず、家老屋敷群に来ました。

埋門

埋門。実際にどのように使ったのかでしょうか。他の城でも見かけることはありますが、ただの通路なのかどうか。

家老屋敷跡

家老屋敷は、広大でその広さを実感することだできます。

搦め手

つぎ足し石垣

廻っていると良く目に留まるのが、積み足しや積み直しが多く見られます。どういう経緯でこうなったのかは、不明ですが、貴重な遺構ですね。積み方が違うってことだけでも、見られて最高。

まとめ

いずれにしても、今回は、初めて訪問したこともあり、全てをカバーすることが出来ていません。また、石垣の積み方などを見ていると、何回かに分けて、この城は増改築を繰り返しているように見られます。また、見て回りたいと思います。

・個人的に九州NO.1山城
・西の石垣総合百貨店 いろんな積み方が楽しめる 目を見張る高石垣
・阿蘇4火砕流帯のど真ん中 豊富な岩量

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