佐賀

【佐賀県】岸岳城 山頂の自然崩壊を待つ石垣 この狭い空間にそそり立つ

基本情報

 形態:山城
 史跡指定:県史跡
 標高:320m
 城の整備:駐車場あり 車道完備 (古窯の森公園を目指し、あとは標識順に)
 所要時間:2時間半~3時間 とにかく細長い
 訪問日:2018年1月

駐車場 アクセス

縄張り図 現地看板

標高320mですが、だいぶ車で上まで上がります

地質 周辺環境

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

地質を見てみると、この近辺の山城は同じテーストを感じる。堆積層で「砂岩・泥岩やその互層」が見て取れます。反対に、ピンク層は「花崗岩」。

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

この境界線はハッキリしています。花崗岩域の東には、たくさんの山城が存在しており、城の造り方明らかに違います。

この一覧表からも分かる通り、花崗岩と砂岩では、強度に大きな差があることが分かります。やはり砂を固めただけですから。実は、このことが、この城の

山城Q
山城Q

致命的

でもあります。

城域に入る

見た感じ、すぐに城域だし、余裕余裕と思わせるこの地図。。。

しかも、割とアクティビティ度が高い。

いいよ~いいよ~

縄を伝い登り アクティビティあり

まずは、左の旗竿石を目指します。

この城ってロープとかのアクティビティが多い。こういうのが楽しいんです。ちょっと、登りますが。

展望良し 旗竿石

とりあえず、端の旗竿石です。確かに、ここに旗を立てれば、唐津や海側からも目立ちますね。ただし、ここはだいぶ内陸ですけど。

Uターンします

入口の地図でみた感じとは全く違い。この城は、細く長ーーーーーい。どんどん進みます。

それにしても、岩が多いな。

二の堀切の石垣群

山城Q
山城Q

ここが見どころ 一番目

そして、ここが二の堀切。

「むむむ」

角石が割れていますね。算木っぽくなっているけど、強度不足で割れている。破却にもあってる気がする。名護屋城っぽい石垣の感じ。野面ではなく、打込み。

この感じは、南にある「獅子城」と同じ。つまり波多氏ではなく、のちの寺沢氏による改修と思われます。

井戸跡

特に、この井戸が面白い。岩盤をくり抜いて作っている。しかし、隙間が多くみられるけど。本当に溜められたのだろうか。

本丸の周辺

ま~至る所に石垣が積まれています

崩れそう 三左衛門殿丸の石垣

山城Q
山城Q

ここが見どころ オススメ

さ~来ました。三左衛門殿丸の石垣

こんな山頂のスペースによく築いたものです。こういう意気込みが大好き。算木っぽいんだが、下が割れてしまって、風化したようにも見える。

やはり、岩の強度不足。割れている。つんつんしてみたら、気持ち柔らかい。加工はしやすかったのかもしれません。

一応、自治体も把握しているのか、マーキングシールがされているけど、なにせ、岩が細かいので、そのうち、崩れてから再建とかでしょう。この壊れ具合が廃城好きには良い!折れもあって、かっこいいです

さらに先に行きます。

なんか開けてきました。

姫落とし と 抜け穴

「おお~~。」
見晴らしが良い。そして、ここが

姫落とし!

この手の地名って意外にありますね。山梨の岩殿山城にも、「稚児落とし」というのがあった。

由来は、ウソであって欲しいものです。

・波多氏が開き、寺沢氏が改修したことで近世城郭に近づいたお城

まとめ

北部の波多城もそうですが、波多氏は城を長く作るのが好きな様子。そして、主が変わり寺沢氏となったために、石垣を組み近世城郭へと改修されました。しかし、紹介の通り、砂岩は強度が低く、石垣も崩壊の危機にあります。

算木積みの部分も割れてきており、いつ崩壊してもおかしくないので、早めに登城されることをお勧めします。

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