大分

【大分県】佐田城 「山城魂」を試される6つの砦と本城の廻り方 

基本情報

 形態:山城
 史跡指定:市史跡
 標高:300m
 城の整備:主郭までは登城道あり。砦はシークレットとされている。
 所要時間:4時間 (砦コンプリートは、上級)
 訪問日:2019年3月
 参考サイト:余湖くんのホームページ 

駐車場 アクセス

地質を確認

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

またしても、この場所は「際」のようです。安山岩・玄武岩が分布しています。左上の「大蔵山」からの溶岩でしょうか。下の方は「山体崩壊」の跡のようです。

縄張り図 現地看板

「一度は行きたいな」と思いながらも、

「夏場はヤバそう。。。」
「ちょっと遠いな。。。」
「案内は、ほとんどないのか」
「相当な時間が掛かるだろう」

とタイミングを計っていましたがついに時が来ました。決行。

この城は、独りの力では無理なので、余湖くんのホームページにて、しっかり予習し、自分なりのプランを立てる

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能) 


でも、現地ではその場その場で対応に迫られることに。2回も道を間違えたため1時間弱は、時間をロスする羽目に。。。

城域に入る

入口です。さー、いよいよ登りますか!

山城Q
山城Q

お、ここが登り口か

まず、ここで第一のミス。「登城道が完備されている。」と聞いていたので、「なんと素晴らしい道だ。コンクリート舗装されている。」と左を進んでしまいました

すると、ダムをぐるりと回り込み、やがて、藪の中へ突入。「この時期だから、人は来ないのかな」
という気持ちと「でも、これはおかしい。」という気持ちのせめぎあい。

「やっぱりおかしい」と再度、登り口へ戻ってみると、なんと!!

こっちでした。汗。笹で分からなかった。うわ~やってしまった。(1回目)時間をロスした~

途中、唯一の案内標識などがありました。で、先に本城を案内します。登り口から直線で来ると、45分ぐらいだと思います。本城周辺は、驚くべき縄張りです。

堅い主郭の守り キルゾーン

山城Q
山城Q

あなた、死地(キルゾーン)に立ってますよ

ふっと出てきた目の前に主郭が現れます。

深く長い空堀。明確な竪堀

先輩諸氏が大絶賛されるのも。納得です。

主郭横の大規模横堀

山城Q
山城Q

周辺を取り巻く大規模横堀

みどころですよ

このクラスが身近にあると、おそらく、他の城郭を見学してもあんまり感動はしないだろうと思います。それだけ、スゴイ!!知る人ぞ知るだけでは、かなり勿体ないと感じました。

本城を囲む衛星的支城群 苦労しました

さてーーーーー、それでは各砦をどのように攻略すればよいか、私の失敗も交えて紹介させて頂きます。各砦には、名称がないため、ローマ字を振りました

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能) 

この地図は、必携です。が、予定はあくまで予定で結果的に大失敗することに。

A砦

本城手前の出城という感じでしょうか。

多少の曲輪が作られており、「いよいよ城域に入ったな」と実感することができます。


A砦に入ってすぐに、なぜか、ここに一升瓶が転がっていました。「あ!!これは、あとあとちょうど良い。」と思い、登城道の木の間に挟ませて頂きました。

山城Q
山城Q

これは重要ですよ。

つまり、登城道沿いに、これを見つけるとB,C,D砦への道しるべとなります。B砦へ向かっていく途中に、平坦な郭の端に辿りつきます。実は、ここがB砦とC,D砦の別れ道

「何か、目安になるものは???」

と探していると、なんとも印象的な木が。驚。この木を境にして、C,D砦への分岐となります。この木は、まず無くなることはないでしょう。

B砦

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能) 
山城Q
山城Q

ここの二重堀がみどころですよ


この石積は、堀切を作る際に出た石をそのまま積んだという印象

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

丸い岩。なぜ、角がないのだろう。地質図で見ると、やっぱり玄武岩・安山岩とのことですが、この形は、流紋岩に近いのかもしれません。

全体に言えることですが、各砦には必ず空堀が掘られています。しかも、全体を囲むわけではなく、「南方側」に対しての備えです。

よほど、街道を警戒していたのでしょうね。

D砦

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能) 

さて、B砦の見学を終えたあと、

「そのままA砦付近まで戻るより、横に進んだ方がC,D砦が近いのではないか」

と考えました。すると

「土橋」があるではないですか。谷を塞ぐ形で。

「これは渡れる。当時の人も通路として使ったのでは??」

と思い渡ります。そして少し登ると、

見事、D砦へ到着~~~!!ショートカット成功

山城Q
山城Q

ここにも立派な空堀

C砦

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能) 

でも、やっぱり道なき道を進むのは、不安になります。その先が良く分からないの一点。無駄に終わるのではないかという気持ちが一点。本当に遺構があるのかどうかも。しかし、信じて進むのみ!!

山城Q
山城Q

ここにも空堀があり

石垣?

たぶん、これは炭焼きの跡でしょう

E砦

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能) 

さて、A砦付近まで戻り、本城を見学したのちに、私は、そのままE砦へ行こうと試みました。尾根伝いに進むはずが、何かがオカシイ。何かどんどん下っている気がする

「これは間違えていないはずだ。」
「また、上にあがるはずだ。」

と心で祈りながらも、

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能) 
山城Q
山城Q

やってしまった~~~(2回目)

下の道に出てしまった!!

「さて、どうする。。。もう諦めるか。。。シンドイし」

との感情が頭をよぎりましたが、再び、リトライ!!山道を直登!!

「やってやる。必ずやってやる。」

20分ほど直登の末。B砦に到着!

竹による藪化がちょっとヒドイヒドイ。明確な空堀はあるんだけど、前に進めない

石積み 空堀

この砦の空堀の配置は、ちょっと変わっていますね。私が直登した部分とは逆の本城との接続部に配置されています

山城Q
山城Q

ここは、詰城かも!?

このE砦リカバリーで大幅なタイムロスと体力を使ってしまったな~。脚はガクガク、直登はシンドイ。。。

F砦

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能) 


ヘロヘロになりながらも、コンプリートを目指し、F砦へたどり着く。でも、この堀切と石積と土橋を見ると元気になれる。

石積み

まとめ

朝の8時に登城を開始し、降りてきたのは、正午過ぎ。。。合計4時間。しかし、見応えのある山城でした。ぜひ、本城のみならず、周りの砦見学をお勧めします。普通、3時間あれば、大丈夫だと。

廃城らしい廃城でした

・見事な大規模横堀多数 支城の空堀は、全て南側にある

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